掛け軸の主な部位の名称です。
本紙
本紙とは書画自体のことです。
材質が絹でできたものを絹本、紙でできたものを紙本といいます。
一文字
本紙の上下にある横長の裂地のことです。
上にあるものを上一文字、下にあるものを下一文字とと呼びます。
金襴生地など上質の裂地を使用するケースが多いです。
中廻し
中縁(ちゅうべり)とも呼び、本紙の上下の部分のことです。
掛け軸の出来栄えは、作品とこの中廻しによってほぼ決まります。
柱
本紙の左右の縦長の部分のことです。
中廻しと同じ裂地を使用します。
裂のつなぎ部分の柄が一枚の裂に見えるよう、柄合わせを行いますが、低価格帯~中価格帯の掛け軸では柄合わせを行っていないものが多いです。
天 地
中廻しの上下にある部分で、上下とも呼ばれます。
通常、無地の裂を使用するか、柄物でも目立たない柄を使用します。
風帯 露
掛け軸の上側から垂れている、天を横に三等分する二本の細長い飾りの事を風帯といいます。
一文字と同じ裂地を使用することが多いです。
風帯の一番下の端で左右に扇型に広がる小さな飾り糸の事を露といいます。
一般に浅黄(あさぎ)、萌黄(もえぎ)、紫、白のいずれかの色が用いられます。
八双
掛軸の一番上に付いている半円形の木製の棒のことです。
表木(ひょうもく)とも言います。
鐶
八双に掛緒を取付ける部分のことです。
掛緒
掛け軸を掛けて飾る時に引っ掛ける部分の平紐のことです。
巻緒
掛け軸を巻いて仕舞うときに、最後に巻いて留める平紐のことです。
軸棒
掛け軸の一番下に付いている、掛け軸を巻く時に芯になる分部の木製の棒のことです。
表具に包まれているため表には出ていません。
軸先
軸棒の左右に付いている円形状の飾りのことです。
軸先の用材には紫檀、黒檀、象牙や漆塗りのものが多く使われてきたが、現在では陶磁器、ガラス、金属、樹脂など、さまざまな素材ものがあります。
掛け軸を巻く時にこの部分を持って巻く、掛けた時の重りの役目の他に、装飾的要素も大きいと言われています。